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 2007.10.06

『ボクの考え「不安と緊張」』

ボクはプロの世界に入り7年もの間、期待されながらも1軍と2軍を行ったり来たりして1年間を通して活躍できないでいた。

そんなボクが8年目のシーズンに、初めて1年間を通して活躍できた。
それまでの投球とはスピードが速くなったわけでもなく平均並みのスピードで、新しい球種を覚えたわけでもないボクが、その年、先発、中継ぎとフル回転し、今までの自己記録を全て上回り、プレーオフでも先発勝利できたのには、確かな理由があった。

それはメンタルの変化である。

それまでの自分は、マウンドに上がった時、まず考えていたのは、「今日はストライクが入るだろうか?」「打者を抑えられるだろか?」「自分の思うような球を投げられるだろうか?」と、まだ先のことは誰にも分からないのに、その結果ばかり気にしていた。

これがまさに『 不安 』というもの。

「不安」を抱えながら投げていたから、思い切り腕が振れず、自分の力が出せない状況にあったと思う。
考えてみると、「不安」とは、自分が勝手にまだ分からない結果を、しかもその結果が悪かったときの事を想像して、感じるものだと思う。
要するに自分で作ってしまっている心境だといえる。
その想像が、結果が良かったときの事だったら、「不安」とは感じなくなるはず。むしろ「ワクワク」という心境になる。
だから、まだ誰も分からない先のことを、どうせなら良かったときの事を想像してやればいい。

そうして「不安の正体」がハッキリしたから、まずは、自分の今の心境を正直に思い浮かべて、それを否定してしまわずに受け入れて認めることができる。
それを分かった上で、全ての想いを『0』にして、その一瞬に全力を尽くす。

『 この一瞬に生きる 』

その積み重ねだった。
不安がなくなれば、『 緊張 』して頭の中が真っ白になるようなこともなくなる。
もちろんプレッシャーや、球場の雰囲気、楽しみからくる高揚感で「緊張感」を感じることはあるが、「不安と緊張」で自分の力が出せないということはなくなるのではないかと思う。
そして自分自身で、辛いと思うどんな状況でも、それをどうやって克服してやるかというように、『 楽しむ 』心境に置き換える事ができれば、自分の力を発揮できる状態になると実感したのだ。

こうしてボクは「メンタルの自己コントロール」をして、1軍のマウンドで自分の力を発揮できるようになり、活躍できたのだと思う。

人によっては、そんなことは考えず、意識せずとも、活躍していく「気持ちの強い」選手はいる。
それでは俗にいう「ノミの心臓」とか「チキンハート」と呼ばれる選手は必ず負けてしまうかというと、そうではないと思う。

自分自身、弱いと感じたら、それを認め、向き合い、そのメンタルを自己コントロールできるようになれば、必ず勝負できるし、勝つことができる。
またそうやって勝負できる人が、本当は「気持ちの強い」選手なのかもしれない。

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